春先に大河ドラマ「新選組!」のDVDを観て以来、
「燃えよ剣」上下を読み
「竜馬がゆく」全8巻を完読し
その他諸々関連書籍を読み散らかし、幕末にはだいぶ詳しくなった。
とはいえ、いずれも新選組、坂本竜馬の生き様を追う物語ばかりだったので
彼らが消えた後、明治維新はいったいどんなことになったのか…。
幕末という時代は、それはそれでおもしろいんだが、
激動の数年のあと、時代はどう変わっていったのか、知りたくて
『日本の歴史〈20〉明治維新』を読破。
なんというか新鮮な感動がありました。
現代の日本の有様のルーツがここにあるのか!という感じで。
アメリカはじめ列強諸国との関係、韓国・朝鮮・中国はじめアジアとの関係も
この頃にすでにその構図が出来上がり、今に至っている。
全然変わってないんだよね!
この本を読んでいる時、ちょうど沖縄基地問題のニュースで
小泉と並ぶ稲嶺県知事のしぶい表情がテレビに映っていたが
こういう結果になるのも、維新後の新政府の政策が発端なのだと
すべてはつながっているのだと、時間の感覚を越えて感じてしまったよ。
大政奉還、王政復古から数年のうちに、
征韓論が起こり戦争を仕掛けようとしたその経緯も、初めてわかった。
幕末期に活躍した西郷隆盛や桂小五郎(木戸孝允)、大久保利通らが
新政府の関わりの中で人柄も関係も変わっていく様子が、
痛ましくもあった。
西郷隆盛が西南戦争で敗れていく過程も凄まじかった。
新選組の生き残りの斉藤一が、
維新後、新政府の警察官として西南戦争に赴き、西郷軍と戦うのだが
その関係性もなんともやり切れない。
そんな上層部のいざこざに振り回される民衆も、ほんとご苦労だった。
歴史のほとんどは「政治史」なので、民衆史はほかの著作に拠らなければ、だけど。
歴史は人間の営みのひとつひとつの積み重ねであるということを
あらためて感じた1冊だった。