「メゾン・ド・ヒミコ」

「メゾン・ド・ヒミコ」

ふだん新作は1泊しか借りないんだけど、
1週間で半額だったので思い切って借りてみました。
正解。何度も観たくなったから。

ゲイの老人というマイノリティの物語といってしまえば特殊だけど、
人間の生き様としては特殊じゃない。
そのあたり、あまりこってりせずに描かれていて、
そしてあとからじわじわと思いが打ち寄せてくる。
内面を刺激する感じ。

オダギリジョーの色っぽさが何より印象的。
ゲイという役柄もふまえた上でのうっすらとした色気。
そう思って見ると、斉藤一役はみごとにフェロモン消してたなあ。
フェロモンて出したり消したりできるんだ、役者っていうのは。
という話はイトイさんのまいど論に準ずるんだけど。

あんな魅力的な男に、女として抱かれることができなくて、
サオリは、自分が男だったらよかったのに、とか思わなかったかな。
ゲイを嫌っていながら、ゲイの男に惹かれていく、その揺れ加減が絶妙で
着地点が切なかった。

テーマとキャスティングはそれなりによかったけど
脚本が…語彙が少ないのが気になった。
言葉数ということではなく、言葉の種類の彩りのなさが、物足りなかった。

柴咲コウは「GO」ではまだ子どもっぽい体型だったのが印象的だったけど
だいぶからだと表情のバランスがとれてきた感じ。
あの「目」が強すぎてね、なかなかからだがついていかない。

オダギリジョーは、重心がふらつく立ち姿が、魅力的でもあるんだけど、醜くもある。
彼を見ていてなんだか落ち着かないのは、そのアンビバレンツなところだろうなあ。
あの軽い感じが今っぽい男の立ち姿なんだろうか。
よくぞあれで殺陣をやったもんだ。ダンスもひどいもんだし。

あっつ、だんだん辛口批評になってきてしまった。

田中泯の制御された指先があまりに美しかったので、つい。

ただ、この映画が醸し出す「切なさ」は、オダギリの存在あってこそ、と思う。
その点ではぎりぎりうまくいっていたんじゃないだろうか。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。