今朝の毎日新聞、さだまさしのコラムに、ついタメイキが出てしまった。
「話をしよう」というタイトルで書かれたコラムでは、いまは人と人とのコミュニケーションが断ち切られている時代、とし
「人々は『自由』をはき違えて『自分の好き勝手』に生きる権利がある、と思いこんだ」「そしてどうもそれが他人には『心地よくないこと』のようだ、と気づいた時、好き勝手を押し通すために自ら『コミュニケーション』の糸を断ち切る」
と語り、この国には言葉が必要だ、会話が必要だ、と主張する。
自由をはき違えている人たち…まさに身近にそれを感じているので、タメイキが出てしまったわけだが、そういう人に、さだまさしが説くような「正論」を言っても通じない。
いや、だからこそ会話、コミュニケーションが必要なのに、はじめから聞く耳を持たない人にいったいどうやって伝えればいい?
山田ズーニー著『あなたの話はなぜ『通じない』のか』には、コミュニケーションのための大きなヒントがある。
「問い」を共有して「意見となぜ」で話す、という論理的な展開は、しかし、相手にも論理的思考能力がなければ、成り立たない。
それならば、と提案するのが相手を知ること--相手の情報を得ることだ。
しかし現代のような孤立した人間関係では、相手の情報は「噂」でしか入手できず、本来の生身の声は、やはり会話、コミュニケーションでしか得られない…という堂々巡り。
難しい。
そこまで相手の中に入り込む勇気も意欲もあるわけではない。
しかし、このままでいいと思っているわけではないから、タメイキも出るし、頭を抱えることになる。
聞くこと、話すこと。
この単純なことが、いま、とても難しい。