4月は忙しい。
年度変わりで学校や地域の行事が毎週のようにあるし、6年生の親なので仕事もいっぱい。
期日が迫った用事が次々やってくる。
店のほうもイベントが続々企画されている。
それに加えて、今年は引越しという大イベントが、まだずるずると続いていて、疲れもかなりたまってきている。
なかなか身も心も休まることがない。
そんな日常だけれど、こればかりははずせない。
毎年、桜が散る頃、飯田に歌いに来てくれる 豊田勇造さんのライブ。
皿まわしのように、回し続けていなければ、お皿が割れてしまうような日常の中で、ほんの一瞬、お皿を床に下ろして、ライブハウスのイスに座る。
薄暗闇の中に浮かび上がる旅の歌うたいに会いに行く。
からだのどこかに棲みついていた小さな旅の虫が、もぞもぞと蠢きだす。
いまの暮らしがいやなわけじゃないけれど、現実逃避するわけではないけれど、勇造さんが運んでくれる異国の匂いが懐かしくて、またどこかに行きたくなる。
ネジをゆるめて、プラグをはずして、今日だけは、勇造さんに乗っけてもらって、飛ぶ。
そういえば、ゆるめっぱなしの渡くんへは、みんなでヨレヨレの拍手を送ったよ。
これが勇造さんなりの送り方なんだなあ、と思った。