節分

風邪をひいておりました。
のどが痛くて鼻が詰まる症状はありながら、熱は出ない。
熱がないので大したことなかろうと、かやかや動いているうちに、動けなくなってしまった始末。
とにかくからだが重い。
四肢をなにか黒くて重いものに押えつけられて、
いや、黒いというのはイメージですけど、
その上、鉄の塊を付けられたような、身動き取れないまま、
布団の底にずぶずぶと沈みこむ、という状態でまる二日過ごした。
結局、熱が出ないので病院にも行ってないけれど、あとで、熱が出ないインフルエンザもあると聞いた。
う~ん、果たしてどうだったのか。

寝込んで3日目のこと。
その日は節分。縁起をかついだりご利益を信じたりすることはないけれど、
祭り好きなばあちゃんが、恵方巻きをしっかり予約して買ってきた。
ようやく少し起きることができるようになった私もお呼ばれして、
ふっとい太巻きが2本並ぶお皿の前に着席。
そわそわと楽しげなおばあちゃん。
「南南東ってどっち?」
「う~ん、太陽がのぼるのがこっちだから、このあたりかな?」と上の子。
「じゃ、むこう向いて、立って、願いごとを言うんだよ」
「電気消さなくていいの?」と下の子。
ここにも、祭りと勘違いしている人がひとり。
4人で立ち上がって、なんとなく落ち着かない。
(病み上がりの私は立っていてもふらふら。)
「黙って、食べるんだよ。しゃべっちゃだめだよ」とおばあちゃん。
(おもゆだけで2日過ごしたからだに、いきなり太巻きはキビシイ~~)。
おもむろに食べ始めたのはいいけれど、おばあちゃん、5秒もしないうちに
「もういいよね」とそそくさと座り
「こんなに太いの食べきれないよ。切っちゃだめとかっていうけど、いいよね」と
包丁を持ってきて太巻きを切り始めた。
「みんな、こんなことやってるのかね~」とか言いながら。
所詮、祭りでした、恵方巻き。

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