映画『世界でいちばん美しい村』@駒ヶ根

ネパールの映画を観た。報道カメラマンが地震直後から震源地の村に入り、その後をずっと追っているドキュメンタリー。映画の後に監督のトークもあった。

地震後、ネパールとインドの関係が悪化しインドの物資がネパールに入らなくなり、ガソリンや食料が不足するなど、さらに深刻な状況になった。

しかし、困っていたのは主に都市部。震源地のラプラック村は基本的に自給自足で暮らしが成り立っているから、食べるものにはそんなに困らなかったのだそうだ。貨幣経済に頼らず済む生活は災害時に強い。

家族で放牧小屋に泊まりに行く場面。映し出される家、衣類、食べもの、道具は、人が生きていくのにこれで十分というサバイバルの教えとして見入った。

山羊を生贄にするヒンドゥー教の祭りダサイン、広場で踊る新年の祭り、死者を送るトモ、ボン教のガトゥーの舞。どれも印象的なお祭りの場面。祭り見物する村人たちはぎゅうぎゅうにからだを密着させている。ここではからだも心も寄せ合わせて生きていく。

特にガトゥーの舞は印象深い。幼女たちがトランス状態になって一昼夜踊り続けるのだ。神、祈り、信仰と、生きることがとてつもなく近い。

このドキュメンタリーを観ることで、わたしたちはラプラック村に暮らす子どもたちの未来を共有した。そんなきっかけを作ることができる映像に大きな可能性を感じた。

アジアの最貧困のひとつとして、最近行ったばかりのラオスを思い合わせながら観ていた。

ラオスとタイも似たような関係で、タイからの物資が入ってこなくなると困窮するだろう。基本的に自給自足なのは、ラオスも同じ。

ただ、ラオスの場合は刻苦と働かなくてもほどほどに食べていけるため、向上や発展への意欲がない。ネパールは自然が厳しい。ネパール人は勤勉。

映画に出ていた青年が英語の勉強をしていた。先生は英語ができると観光の仕事ができるようになると言う。ネパールにはヒマラヤという大きな観光資源がある。それは大きい。ラオスはルアンパバーンが世界遺産とはいえ、ごく狭いエリアだ。

日本に在住する外国人は中国に次いでネパール人が多いという話に驚いた。日本からの直行便がないのは同じなのに。ラオスは日本入国のビザが取りにくいことが、まず敷居を高くしている。

ラオスも日本語ができるガイドが増えれば、もっと日本からの旅行者が増えるのではないか?今のところ、ラオスでの日本語習熟率はまだ低い。ちゃんとした日本語−ラオス語の辞書もない現状。

経済的発展がほんとうにその国に暮らす人にとって幸せなことなのか、問い続けつつも、何かできることがあるのではないか、と小さな模索も続けている。

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作り手の笑顔がわたしたちの喜びとなる
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